落語を見る。
東京に来てから私が覚えたもののひとつ。
東京は落語、上方は漫才ってことで
関西では「ベース吉本」とか「なんばグランド花月」とか行ってたけど
やっぱこっち来たら落語見てみなね〜ってことで、先日デビュー。
そして、すっかりはまった私は、ネットで検索。
そしたらなんと、吉祥寺のお寺で世席が開かれるらしい。
お寺でってどんなんなん?
しかも、当日は私と同じ神戸出身の
しかも女性の落語家
「桂 あやめ」さんが来るらしい。
朝ドラ「ちりとてちん」のモデルやって。
なんか面白そうやん。
ということで、行ってみた。
吉祥寺の駅前サンロードをまっすぐぬけると
おお!なんや!こじゃれた店と店の間からぬぬっと木が茂っておる!
トトロがググッと大きく伸ばしたような木達。
さすが三鷹が近いだけある。
「これか!これか!めちゃすごいお寺や〜」
と走っていくと
「あれ〜?こりゃ、ちゃうお寺や〜」
「あっ、あっちにもお寺あるわ〜こっちちゃう?」
とまた、えっちらおっちら走って行くと
「名前が違うわ〜」
五日市街道沿いには、たくさんお寺があるんやね。
そっか〜。
吉祥寺のじは「寺」って書くぐらいやもんな。
吉祥寺ってお寺の街なんやね。
と汗をふきふき、やっとこさ本日の会場
「光専寺」に到着。
サンダルはぬいで、下駄箱に。
廊下をいそいそ進んで行くと
おお!ほんまにお寺のひろーい畳の部屋。
真ん中に台(ステージ)が用意されてて
その前に座布団が並んでる。
後ろの方はいす席。
前から2番目に座るとほんとに、噺家さんの顔が
すごい近い。
1番前の座布団には、小学生低学年ぐらいの子供達が
たくさん見に来てる。
みんなちゃーんと正座して座ってる。
こんな小さい時から寄席に見に来てるんやね〜。
と思ってたら
「おまえ何回め?」
「おれは、もう5、6回」という声が聞こえた。
何?すごい先輩やん。これが粋な小学生ってやつ?!
どーりで、さっきから、姿勢がよろしいと思いましたわ。
隣は何やら、頭を畳にすりつけるようにして何か書いてる。
と思ったら、もうアンケート書いてる。
さすが、通は違うね。
後ろの方からお母さんが
「ほら、横の人に足あたったらダメよ」
なんて言ってるけど
大丈夫です。たぶんお宅の子供さん、誰よりマナー知ってはる。
後ろのいす席には、おじいちゃん、おばあちゃんもたくさん来てて
本当に老若男女が見にきてるって感じ。
それにしても、ええね〜。
この夏の夜にお寺でお話聞くって雰囲気。
広い空間に正座して、障子の向こうをぼーっと見てたら
ほんま、日本の夏満喫してるな〜って気分がしてくる。
そうや〜日本の夏ってこんなんやったんや〜。
なんか、人がたくさん集まって、親戚がおばあちゃん家に
夏休み集まってきたって気がするな〜。
なんてこと考えてたら、はじまった。
お囃子がなって、これも、もちらん生演奏。
まずは、鈴乃舎風車さんの落語。
キレの良い声で、古典落語かな。
ちょっとわからん単語も出てるけど
ここは前後の文脈から、想像して。
英語のリスニングもそうやって乗り越えてきてんから。
こんなとこで、あの時の教えが役立つなんて。
落語の次は、独楽まわし。
でっかい独楽を、ひもの上、渡らせたり、刀の上を這わせたり
急遽お客さんとコンビ組んで、回したり。
この三増紋之助さんって人が面白くて、実はそんなに期待してなかった
独楽回しやけど、おもしろかった〜。
特にトトロが独楽に乗って、空を飛ぶあの名シーン。
せっかくトトロが近い場所なんだからということで
なんと独楽の綱渡りの時、トトロのぬいぐるみを大きな独楽の上に乗せて
回してくれた。
トトロが独楽に乗って、宙を回って(飛んで)いった時は
その場にいた全員が
「わ〜!!」と声あげて、サツキとメイになってたからね。
うーん、芸事はほんまに人を幸せにするなぁと思った瞬間。
そしてそして、休憩はさんで
いよいよ「桂 あやめ」さんの登場。
こないだ新聞に「おかあちゃん落語家」として紹介されてたけど
めっちゃきれいな人。
そして、そっから繰り出される、しっくりくる声。関西弁。
一瞬にしてひきこまれる。
「ちりとてちん」のモデルといわれてるけど、ドラマよりずっと
波瀾万丈と言われてるその人生についての話も面白かったし
落語もデパートの化粧品売り場の店員をネタにした話で
初心者でもすごい楽しめた。
もち、小学生君達は、腕くんでうなづいて笑ってらっしゃいました。
いや〜歌手とか、役者もそうやけど、自分の身を商売道具にしてる人って
やっぱかっこよさがちゃうな。
何があってもこれで勝負するっていう
潔い良い格好良さって言うんかな。
あれだけ話して飽きさせへんってすごいな。
あれだけ話して、息切れせえへんってすごいな。
あれだけ話して、かまへんってすごいな。
ってえ?感心するとこちゃうって?
今日知ったけど、大阪には落語だけの寄席って今までなかってんて。
それができたらしい。
天満天神繁昌亭(てんまてんじんはんじょうてい)。
そして、それが流行ってるらしいよ。
今度、帰った時行ってみようかな。
そして、東京は落語の合間に、漫才や紙切りなどの色物を
やるけど、関西は漫才がメインで落語が色物っていうねんて。
そう言えば、こないだ新宿の寄席で見たんは、落語の合間に
落語→漫才→落語→別の芸事ってやってたわ。
でも、なんばグランド花月で見た時は
漫才の合間に落語や曲芸がはさんであった。
へ〜東と西ではやっぱり文化が違うねんね。
同じお笑いでもおもしろいなぁ。
そんなお寺で見た寄席。
雰囲気も良かったし、ふだんお寺って観光とかで行っても
なんか静かにせなあかん感じやけど、そこで思いっきり
お腹から声だして笑えるってけっこうおもしろい体験ちゃうかな。
ちなみに「光専寺」に着くまでに、実は間違って
別のお寺のインターフォンならしてしまってんけど、
中から優しい声で
「それは多分、光専寺さんのことです」と
光専寺の場所を親切に教えてくれました。
あれは、住職さんやったんかな。
なんかやっぱお寺って優しい。
そんな気がした夜でした。
掲載日付:2008/08/05